「食を支える人」を応援する
1.コロナ禍の中で出会ったテーマ
コロナ禍に社会が揺れた3年間。
特に「食」にかかわる人たちの日常は大きく揺さぶられました。私たちはこれまで多くの喜びや幸せを「食」から与えられ、その一皿、その一言に多くの力をいただいてきたというのに・・・まるで掌を反すかの如く、理不尽なしわ寄せを受けたのが「食」の世界だったかもしれません。
残念ながら、人ははそれほど賢い生き物でもなければ、高潔なる存在でもないようです。時には自分の私的な事情のために誰かを傷つけることを良しとする、いや、良しとはしないまでも黙認・黙殺し、目を背けようとする部分を持っています。それは人の持つ本性でもあり、否定できない、解消できないものなのかもしれません。誰しもそういう部分は持ち合わせています。
とはいえ、それを嘆いても始まりません。現実に起きていることを受け止め、その中で何とかしていくことこそが「経営×キャリア」の根幹。すべてに意味づけし、その時間を納得できるものとできるかどうかは自分にかかっている。改めてそんなことを考えた3年間、そこで新たに出会ったテーマが「食で未来を創る」という大命題でした。
「食で未来を創る」ためには、いろいろなアプローチが考えられます。
いろいろ考えられる中で、私のアプローチは「食を支える人」にフォーカスし、その豊かなキャリア(人生)を応援することによって「食の未来」に貢献し、ひいては「社会全体の未来」に貢献するという取り組みでした。
その取り組みとして、活動に参画したのが「一般社団法人食で未来を創るアカデミー」。立ち上げ期からメンバーに加えていただき、私がこれまで「軍師アカデミー」で培ってきた「経営×キャリア」の視点で貢献するべく、現在も理事を務めています。
2.トップシェフたちの歩みを伺う
その活動の1つとして、昨秋、豊島エスポワールパーク(食で未来を創るアカデミーが開設した、瀬戸内海豊島の施設)に世界で活躍するトップシェフとキャリアの転換期に入った(ひと世代若い)シェフが集まり、キャリアトークを実施しました。私は裏舞台で企画を担い、当日も会場へ。
歩みそのもの、キッカケは異なり、志向するスタイルは異なれども、本物・一流の世界に到達しているプロフェッショナルには共通する本質的な力があります。そして、視座の高さも、結果を出してきたからこそのものがある。そんなことを実感するトークイベントでした。
内容は是非動画で見ていただきたく、この記事冒頭に再生リストを埋め込みました。現在、週に一度のペースで各パートをお届けしています。2023年5月頭までそれが続きます。
参加してくれたのは・・・
(1) Bini オーナーシェフ:中本敬介氏 / イタリア、スイスで研鑽、活躍し、その実力と実績を持って帰国。京都に唯一無二の店『Bini』を夫婦二人三脚で創り上げた。『Bini』は“50 TOP ITALY AWARD 2022”に選出。https://www.restaurant-bini.com/
(2) cenci オーナーシェフ:坂本健氏 / 京都に根差し、研鑽を積み、京都でイタリア料理の世界観を表現する料理人。その想いを共有したチームとともに『cenci』の世界を創り上げ、未来の京料理を感じさせる料理でゲストを魅了する。『cenci』は“ASIA’S 50 BEST RESTAURANTS 2022”に選出(追加情報:さらに2023でも選出!)。https://cenci-kyoto.com/
(3) 海のレストラン シェフ(トーク参加当時):下町兄太氏 / 素材を活かすイタリア料理の魅力に魅せられ、イタリアで7年間の研鑽を積む。帰国後、南欧を彷彿とさせる瀬戸内海の豊島『海のレストラン』シェフに就任し、自身の料理を追究してきたが、再びイタリアに渡ることを決断。https://il-grano.jp/umi/
そして、実は会場でオーディエンス参加し、「拡張編」でトーク参加したシェフがもうお一人。
(4) てのしま オーナーシェフ:林亮平氏 / 京都『菊乃井』17年間の研鑽を経て東京青山に自らの店『てのしま』を開く。ミシュラン星獲得。京都で習得した日本料理の技法、海外で磨いた知見と感性をもって郷土“せとうち”と向き合い、自らのルーツ:香川県“手島(てしま)”を目指している。https://www.tenoshima.com/
【総合MC】おかやまアナウンス・ラボ株式会社 代表取締役 森田恵子氏 / KSB瀬戸内海放送アナウンサー、NHK岡山放送局キャスターを経てフリーアナウンサー、講師として独立。コミュニケーションを通した人財育成、アナウンスメント、和文化を事業の柱とし、企業、行政、教育現場等で個人と組織の成長支援を支えている。
まだまだ聞きたいことだらけ・・・で、実はこの収録後は島で熱いオフレコトークが夜遅くまで続きました。
私にとっては、軍師アカデミーと同じベクトルに位置付けられている仕事であり、すべてが大切だと確信できるテーマです。
アフターコロナの中でこちらも加速していきたいと思います。
関連記事はありません