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2023-05-23

未来へ向かうための、大人の「新たな学び」

いつ頃からでしょうか。日常の中で「リスキリング」や「リカレント」といった「学び」に関する言葉を耳にするようになりました。

この2つの言葉は若干異なりますが、「未来を生き抜くために学び直し、未来を生き抜くための力を身につけなければならない」という前提条件を持っているところでは共通しています。

社会構造が変化し、人の寿命が延びる中、私たちは自らの「キャリア(人生)」を豊かに保つために学び続けることが不可欠な時代に入りました。「いや、ずっと前からそうだった」と思う方も少なくないでしょうが、いよいよそれが社会課題として注目されるようになったということでしょう。

さて、学ぶことは大事なことですし、こうした動きは社会にとって大きなプラスを生み出す可能性があります。しかし、この「学び」とはどういうものであるべきなのか?という点について、もう少し熟考が必要ではないかと個人的には感じてしまいます。

特に、大人になってからの学びは「単純な足し算」感覚だとうまくいかないことが多いですから。

「大人」は、既に多くの経験値を持って生きています。その経験値を最大限に活かすことができた場合、学びにおいても「創造的な掛け算」で知恵や見識を強化し、大人ならではの成長を実現することが可能な場面もあります。

しかし、時には「経験値」そのものが自らを縛り付け、新たに触れる未知なる可能性を受け入れられない「破壊的な掛け算」で学びを台無しにしてしまいます。

そのため、時には自分の「経験値」を「前向きに引き算」して学ぶ姿勢が必須となります。下手な常識、固定観念は捨て、それまでの自分を時には否定する勇気も必要になります。

そのうえで、新たな価値ある学びを「足し算」として受け入れ、時々自分の「経験値」の中にある知恵や見識で「本質を探る割り算」を行えば、鮮度を増した「新しい自分」が生まれます。

まだ白紙のキャンパスに近かった幼き日々の学びとは異なり、大人になってからの学びにおいては意図的にそんな工夫をしてみることが効果的かもしれません。

大人の「学び」、特に単なる情報収集・知識獲得型ではなく、自らの未来を描くための「自分自身」を再構築したいと思うならば、今までつくってきた自分を活かしながらも暴走させない自分マネジメントが必須です。

自分自身と向き合い、自分をマネジメントしながら、新たな価値を吸収する。あるいは自分自身の中から新たな価値ある自分を創造する。適切なる学びのプロセスからは多くの価値あるものが生まれます。

私が主宰する「軍師アカデミー」においても、10数年の積み重ねの中でその大切さを実感・痛感してきました。

とても光栄なことに、軍師アカデミーとの出会いで自分の人生が大きく変わったと言ってくださる方も多いのですが、そうした方たちは自然な流れでこうした成長のプロセスを辿られていたと感じます。そのことを強く感じ、講師を務める私もいつしか自然にそのプロセスを組み込んだ講義や演習を支えることを意識するようになって今に至ります。

もちろん、私自身も学び続ける立場。そのことを時々意識し、自分に言い聞かせながら、仲間たちとともに学び続ける日々が続きます。

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