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2019-02-04

創業者のキャリア問題

軍師アカデミー講座最終回では「自律的キャリア」というキーワードで自らと向き合う時間を組み込んでいます。そんなこともあり、当日の講師役であり、ファシリテート役をつとめる自分自身もキャリアについて考える今日この頃です。

いろいろな気づきが生まれます。事業承継の現場で大きな壁となって立ちふさがることの多い「創業者のキャリア問題」の難しさも、自らが当事者として感じます。仕事的には貴重な学びの1つです♪

今、50歳というまさに節目と呼べる年齢。

思い起こせば・・・経営パートナーとともにコンビで開始した「軍師」という仕事。それは「軍師養成」事業へと推移し、軍師たちの価値の源泉となり得る「コミュニティ」の成長を目指す事業体「軍師アカデミー」へと変化しました。

その「軍師アカデミー」の中核事業である軍師養成講座は今年度で第10期を迎えました。事業の母体は一般社団法人へと途中で移行。軍師を目指し、切磋琢磨するために集う仲間たちのための軍師アカデミーという組織体へと脱皮を図っています。

その存在目的の中核には、そこに集う仲間たちにとって価値ある存在としての成長を組み込んだいくことになります。自分のために存在するものではなく、その存在のために自分が何をできるかを考え続けるという立場になろうとしているわけです。

もともとは自分自身のキャリア構築の現れとして創業した事業や組織であっても、その成長の結果としてどこかのタイミングで個人のキャリアからはリリースされ、事業や組織そのものが自律的な成長を目指す段階に入ります。

それは健全な成長プロセスであり、必然なのだと感じます。そもそも、寿命という有限の時間軸で描いていくのが個人のキャリアです。しかし、企業(うちは社団法人ですが)の時間軸に「寿命」という有限の概念はなく、担い手や社会環境の変化とともに形を変えながらも持続・継続を目指すのが自然です。一人の個人と企業等の組織とは、その存在の前提条件となる時間軸が異なるわけですね。

そう考えると、創業者のキャリア問題の難しさの一端が見えてきます。

創業者の中には自らのキャリアの充実と、創業した会社の持続的成長を上手にすり合わせできず、上手にその存在をリリースすることができないという方が少なくありません。「会社の全ては自分の体の1部のようなもの」という感覚が生み出す副作用の1つとも言えますが、限りある時間の中でキャリアを終えていくことになる自分と、それに関係なく生き続けることが求められる会社とを同一体としてとらえている限りは、そのリリースは難しいのだと感じます。

私自身も創業者の一人。この仕事をしていて、まさか自分がそこでコケるわけにはいかないぞと、いろいろな自問自答を繰り返しながら節目を越えていこうとしています。

  • 自分が創業した「軍師アカデミー」という存在が多くの人の価値の源泉となり、生き続けていくために自分が貢献できることは何か?(私のために「軍師アカデミー」があるのではなく、その逆の立ち位置に存在する自分をつくっていかなきゃね)
  • 自分がやりたいことであっても、それは本当に「軍師アカデミー」でやるべきことなのか?(もしかしたら、切り離して個人としてやるべきことでは?と思うことは自分の責任の範囲内で行おう。これまでもそうだったけれど、そのために独立した法人も維持しているのだし)
  • 自分が望まないことであっても、もしかすると「軍師アカデミー」としてやるべきことなのではないか?(実は、それを望む仲間が多くを占めるのでは?であれば、それを目指す人たちの活躍を支えるのも自分からの恩返し。迷惑がられない程度にね)

いやいや、自問自答すべきことが山のようにでてきます。

迷いますし、突き詰めて考えると不安にも襲われます。でも、そのプロセスを知るからこそ、経営やキャリアの難しさの本質をリアルに感じることができます。

その意味では、節目を越え、今までにない経験を積み重ねられる成長期に入ったとも言えます。生涯修行、このプロセスそのものも価値ある知恵として吸収したい。試行錯誤は続きます♪

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